― 聖神神殿・廊下 ―
『道』に迷っているようなら――…か。
俺が、ひとに道を示すことが出来るほどの
器かっていうと怪しいもんだけど。
[神官長の言葉を反芻しながら、
足は自然、憩いの場たる中庭に向く。
神殿の廊下を歩きながら、心地よく抜ける風に、ふと、]
そう言えば……
『守護の血脈』ってことは、あの子も召集対象、か。
久しぶりだな〜。大きくなってるんだろうな。
[疾風の守護者たる血筋の少年を想起する。
親戚筋ではあるが遠縁で、残念ながらこの身にその血と
素養は宿していないけれども、幼い頃は会えば遊んだものだった。
よもや、彼が空中に吹っ飛んでいる最中だなどとは知る由もない。]