― 卒業パーティ ―
[餌をもらったり、もふられたり、もふられたり…
みんなのうさぎラヴィは、パーティー会場にもちゃっかりと居座っていた。
居座るというか…むしろ、抱っこされてあちこちにうさぎバトンリレー。今は西寮の女生徒の腕の中でふにふにと様子を見ている。]
[「生徒会のトライバー先輩…」ラヴィを抱っこしていた少女がぽつりと呟き、じっとその方向を眺めている。
白い肌には、ほのかに赤味がさしている。
――パーティーの魔法は出会いの魔法。
やがて、二人の少年少女の目が合い、少し恥ずかしげな微笑みを交わした。自分を抱っこする少女の鼓動が少しだけ早くなる。
そして少年が、彼女の前まで歩いて行き……手を伸ばした。]
[た だ し 、 斜 め 前 に 。]