[さて、狼二匹に威嚇されまくった少年の様子は果たしてどうだったか(怯えてるように見えたのは気のせいではないだろう)。
従華を借りたい、そう言って見上げてくる彼に、話が見えず首を捻る。]
貸すも何も、モノでは無いのでな。
[眠そうに欠伸をして右の角の下辺りをゴリゴリと掻きながら顎で少し後ろを示す。
青年がどうするか自体は、本人の判断に任せるつもりであった。そもそもお守りが必要なのは、情けない話彼の方では無く己の方である。]
──…まあ、もう
[従華の寄り合い。
斜め後ろから聞こえたそんな単語に>>74、こっそりと零した言葉は空気に溶け消える。
ハイイロオオカミの、アイスブルーの瞳だけがこちらをじっと見ていた。*]