都合のいい側に手を貸して内乱を終わらせ それを盾に開国を迫る気かと思ったが、 違うのか。[疑問でも意外さでもない調子で語尾を閉じた。停戦を口にするシメオンを、冷めた目で見る。] 俺たちが戦っている相手は、巫女姫じゃない。 古いナミュールそのものだ。 俺と巫女姫だけが理解し合っても意味はない。 それに、中途半端な破壊は傷跡しか残さない。 再生させるには、まだ足りない。[厳然として突き放した時、伝令が側へ来て耳打ちをした。ラウド・レイ・クレメンスが現れた、というのだ。]