[ 伸ばした手で彼女の柔らかな髪に触れて、
囁かれた声>>295に、砂に似た色の金の瞳を瞠る。 ]
…………謹んで受け取ろう。
[ けれど、続けてお守りと言われれば>>3:296
少しの沈黙のあとに一言だけ、返事をして。
手をと求められればその通りに
自分の右の手を彼女の方へ差し出して、
柔らかな唇が自分の中指に触れるか、触れないか
刹那の瞬間に、ぱたりとひとつ瞬きをした。
ル・ウルタールに伝わる"右手の言葉">>3:297
少年時代の一部をあの砂漠の星で過ごした学者は
中指の意味するところを知っていた。
“あなたを守ります”――――と。
言葉では表されない、透明な約束。
それを理解した学者は小さく笑いを零して彼女に言った。 ]