[元気そうで良かったと、そう落とす声が本当に僅か柔らかく感ぜられたから、
きっと、この言葉は本音なのだろうと受け取った。
(変わらない、の言葉には何の返事も返さない。)]
……………、
はい、王子様とその父王様は言うに及ばず。
御国の主たる方々が粉骨砕身の思いで、
職務に励んでいらっしゃるからでしょう。
私は、何の憂いなく日々を送っておりました。
[金の紐が手を離れるのを見遣る事はせずに、微妙な時間の流れが確かに差を作った事を感じた。>>159
向けられた淡い笑みに俺が返したのは、困ったような笑顔だった。]