― 回想・オプティモへの船中 ―
なるほど。
正使様と副使様はその、セドナという国の出身なのですか。
[ 話を聞く機会があれば、遅ればせながら彼らが純粋な意味でのマチュザレム共和国の人間では無いのかと納得した。]
では祖父の事を委託しても御迷惑でありましたでしょうか。
[ セドナ以外にも幾つもの小国をも取りまとめた存在だとして、彼もその中の一人であれば探すのは難しいかもしれない。手掛かりとしての旧型拳銃の刻印から手繰れる可能性があると知れば、重ねて頭を下げる。
どうか祖父の骨を、故国の地に埋めてやって欲しい――と。
亡命への希望も結局はその為だとわかるように見えたかも知れない態度で頼み込んだ。
そしてそれが叶ったらどうするのかと問われたら、少し困った顔をしただろう。]