― 霊王の領域 ―[左手で脇腹を押さえ、右腕で目の上を擦って、状況を確認する。旋回した所に到達した風嵐は相手方を捉え、翼で庇った白銀竜が落ちてゆくところ] 2……1……行くよ![痛みは大したことない、と自己暗示をかけ忘れておく。多少落下の勢いがつく……翼開いても上昇に転じる間が必要になると考えられる……のを待って風嵐を止め。急降下の姿勢で白い繭とも見える姿を追いかける。取り決めた合図を使うことも忘れているのに。了承の意思が伝わってくるのはいつになく早かった*]