― 氷の橋付近・B ―[ゆっくりと間合いを詰める。歴戦の勇者ではないが、前線に出ることもあり、人殺しに躊躇しない数を屠りもした。だが流した血の量は、狂気じみたように殺戮するシロウと比べれば圧倒的に少ないだろう。経験という点で大きく差がある。慎重に差を詰めようとすると、相手のほうが動いた。]っぁ![初撃は弾いた、だが次撃も確実に急所を狙っており、力任せに大剣を振るいシロウの身体を突き飛ばす。手ごたえが軽いのは、飛ばす前に飛び退かれただろうか。]