[小刀を握りしめ、姿勢を低くして振り回す>>99
素人目にも明らかに戦い慣れていない様子は、昔と変わらなかった。
そんな彼の人の姿を見ながらつくづく思う。
──神はなぜ、このように無防備で自分の身一つ守れないものを護衛もつけずに己の使者として人の世界へ赴かせるのかと。]
(まぁ、都合がいいのは確かだが……ッ)
[目の前で真っ二つに切り裂かれた黒い羽>>100
その刹那、左手に走る痛みと、つぅ、と手の甲を流れる一筋の血。
知覚を共有できるのは便利だが、こうして痛覚まで共有してしまうのはいただけない。
だが、繋がりが深い分、それに触れた天使に与える効果も大きかったようだ>>100
……目の前の天使の、その姿が少しずつ変わりはじめている。
記憶の中のそれより小さく、華奢になりつつある姿]
……エレ。
[目の前の天使は、女性へと変化しつつある]