[もう少し負けろという言葉にアルビンは仕方ないといった様子で差し出された一枚の札と酒を交換する>>155。
実を言えば、酒の仕入額を考えれば始めに出された額でも充分足りた。むしろ、ディーターはお釣りを請求しても良かったぐらいだ。
アルビンは受け取った札に内心しめしめ。]
ったく、何だかんだでディーターはお得意様だからだな。
ん?分けてくれるなら後で貰おうかな。
[けれどもディーターに渡した酒が美味だというのには嘘はなかった。それこそディーターが言う様に酔っぱらいがその味が分かる程に。
きっと、ディーターにも満足して貰えるだろう。アルビンは自分の商品に自信を持っている。分けて貰えると言うならば喜んでと。]
ああ、こちらこそ今後ともご贔屓に。
[最後にアルビンは気持ち良く買い物が出来たお客の気分を損なわない笑顔を浮かべた。]