なあ……カサンドラ。
どうして生き残ってしまったんだろうって、思ったことはないか?
……俺だって、そうだから。
だから、俺は俺を生かそうとしてくれた人達の為に、生きようとした。
でも――少し、疲れたのも事実なんだ。
[己は無意識の間に、彼女に同じものを重ねていたのだろう。
だからこそ距離を感じることもなく、作ることもなく自然に接することが出来た。
殺すことなんて出来るはずが無かった。
多くの人に愛された眼前のこの命を、失わせたくなかった。
内心、今でさえ『俺一人で宇宙の塵となってくるから、カサンドラは俺の分まで生きろ』と言いたくもあるのだ。
しかし、それを言ってしまえば約束を破ることとなる。
それに、彼女を一人遺すことになってしまうから。]