[己を歪と思う理由。己を醜いと称した理由。嫡子であるのに決して家門を継げぬ理由。半陰陽であったジークムントは野茨公と通じる事がなくとも結局は教会から追われる事となったと思う。だから――、頼れたのは野茨公ただひとりきり。その頼った彼にさえ、それは隠せていると思っている。]