[今言わなければならない気がした。 ――今言わなければ、二度と言えない気がした。 ただ、彼が好む幻想小説を物語る様に口にする]やがて剣は折れて粉々になった。後には、ばらばらの鉄塊だけが残った。……鉄塊の夢は、いつか、もとの一振りの剣に戻ることだ。己を一度、拉ぎ、こわした猛禽の喉もとを貫いて。