ルゥ兄に…
ずっと、言わなければと、心に決めていたことがあって。
[自分が、人を喰わらず生きられるとはいえ”人狼”であるせいで、
彼の父を――老医師を、死なせてしまったことを]
でも、告白したら、どう思われるか、怖くて……
どうしても口にできなかった…。
レジーナさんが、この”おまじない”をくれなかったら…
たぶん、私は……。
[生きてはいられなかっただろう、とは。口にできず。その感情の種類はともかく、強く想う気持ちを伝えたいが為のような言葉と合わせれば、どのようにも思えるかもしれない、小さな微笑みを浮かべる。
マスクや部屋の血の匂いを案じてはいても、
レジーナが病に蝕まれつつあるとまでは、今はまだ知れず。
大事な人と話ができぬままになることを、心配してくれていた彼女に、少しでも安心してもらえるよう、思案しつつ伝える言葉を探す]