― オプティモ西砦前 ―[シメオンが零した感想に、琥珀が激する色を帯びる。だがそれも、ゆるゆると冷えていった。] ナミュールの民にとって巫女姫の存在はそれだけ大きい。 結界が開かれた後も、外の国が不用意に巫女姫に触れれば ナミュールは一丸となってそれに対抗するだろう。 使者殿にも、それは心しておいてもらいたい。[それは一般論の枠をいくらか踏み越えて、シメオンと、その後ろにいるもう一人に向けられていた。]