― 貨物室 ―
[両手を上げて、降参というポーズをした彼>>151に、こちらも言葉を収める。
冷静になったと思ったが、どうにも冷静になれていなかったようだ。
この状況に、疑念が思考の流れを鈍らせる。]
……私も、ごめんなさい。
ローの言葉が、正しいのは分かってるわ。
……、……わかってるの。
[ポツリと、そう零し無理に口角を引き上げた。
スノウちゃんを呼び出して、疑わしい誰かの名を告げる。
簡単だと思っていた。
だって、自分の名前を告げれば済むと思っていたからだ。
その答えは決して……間違ってなどいない。
アリスバック遺体を見ていないから、尚更そう思っていたのだろうか。
しかし、アデルの遺体を見たことで……そうするわけには、いかなくなった。
……あと、ソマリに怒られる。
だから、彼の言っていることは、とても正しい。
けれど怪しい奴を見定めることなんて、自分には出来るのだろうか。
……いや、違う。
怪しい奴を見定めなければ、ならないのだ。
そして、排除する。
それが冷凍睡眠だとて同じこと。]