[被害者の行方も知らなければ、同行していた者もいない。己はずっと眠っていたのだから。何も知らないし、誰も知らない。情報を募る彼の呼びかけ>>167には答えられないまま、話に耳を傾ける。途中で置かれた小型の情報端末についても、同じように沈黙を「知らない」という意思表示に代え、周りの人たちの様子を窺っただろう。……ここにあの「旧型の通信端末」の持ち主は"ちゃんと"いるのだろうか。なんて、無意識に*願いながら。*]