― 回想:数ヶ月前 ―
『傭兵なんて、所詮金で動く連中でしょう?信用できるんですか?』
[ ロー・シェン達傭兵の小隊と手を組むと決めた直後、不安気に尋ねてきたのは、副官の少年だった。少年の言葉は、きっと、彼の下につく少年兵の多くの者の代弁なのだろうと判る。
一様に年若く、純粋な彼らにとって、金で命のやり取りに加わる傭兵などという人種は理解し難いものだろうから ]
ああ、信用していいぜ。
[ その不安に返した彼の言葉はあっさりとしたものだった ]
金で契約したんだ。その契約が切れるまで、あいつらは裏切らねえ。
傭兵は雇われて戦うことで生きてるんだ。雇い主を裏切るってことは信用を失って働き口を無くすってことになる。