[早めにはっきりさせておいた方がいい、と切り出されれば>>556
咄嗟に、左肩の傷から、自分の為してしまったことが
知れたのだと、びくっと、大きく身体を揺らすも]
――――…え?
[覚悟とは違う内容に。数瞬は、瞳を瞠り、固まっていただろうか。
何度も何度も、唇を開き、言葉を紡ぎかけるも、
どうしても声のでない様子に、ゲルトは何か思っただろうか]
(…ごめんなさい、ルゥ兄、ごめんなさい…っ)
[葬儀の時、倒れる寸前の呟きと同じ謝罪>>>>0:270
を心の中で、繰り返し呟いて。ああ、もう、自分には、
父のように思っていた医師を、死なせてしまった自分には、
この人を“兄”と呼べる資格はないのだと、悟った]
[手術の際、ゲルトは気づいただろうか。
左肩の悪化した創痕は―――…猟銃の銃創 であると]