― クリーク砦 ― 来たか。[サシャを見送り、どれ程のちのことだったか。走りこんで来た兵の知らせ>>160に、男は軽く顎を引いた。鐘をひとつ打ち鳴らさせ、砦内外に知らせを発する。その音に、未だ外で最後の作業を行っていた者らは引き上げ、砦内にぴりりと緊迫した空気が走った。] 斥候か。 … いや、いるな…?[砦の城壁から眺めやる目には、未だ敵兵の影は映らぬ。けれどきっと、近い。勘のような確信を以って男は谷に視線を向けている。背に負った真新しい傷が、また鈍く*痛んだ*]