[広間に辿り着いたのは、皆がお好み焼きを楽しんでいる頃だっただろうか。
皆と目があえば、笑顔で挨拶を交わしただろう。
なぜか輪の中に入る気になれなくて、近くのソファに腰を下ろす。
きっと寝起きのせいだ。そう言い聞かせても、口から零れる溜め息は止められない。]
はぁ……。
[現実を叩きつけられたような気がして、昨日はしゃいでいた自分が少し恥ずかしくなった。
ここはお見合い会場で、誰かと恋をするための場所で。]
……何か、場違いなところに来ちゃったなぁ。
[彼らと自身の間に大きな壁があるようで、思わず苦笑が零れた。]
子どもたちに会いたい。
[仕事場の、そして教会にいる子どもたちのことを思う。
アーヴァインと結婚することになっても、彼らにまた会うことはできるだろうか。]