人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


魔王 テオドール

[ ぬるり、と染み出す黒い液が足元に溜まって行く。 ]

 「首魁は門の向こうでしか倒せない」
 しかし、
 「門を一度でも潜った者は、新たな首魁となり、戻れば世界を壊す」

 この連鎖を断ち切る方法は、簡単だ。
 行った「誰か」を見捨てて扉を閉じること、
 「誰か」は、この世界に戻りたいなんて思わない奴を選択することだ。

 ……俺が行く。
 お前は門を閉じろ。
 もうこれ以上の時間遡行は不可能だ。
 ならば、こんなクソ世界に未練などない。

[ ヤコブを振り返り、テオドールは不意に顔をこわばらせた。 ]

(173) 2014/04/09(Wed) 23:32:17

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