――回想・団欒室>>88――
何で「俺」の話になるんだ。あいつの…ディークの話だろう?
[ソマーリュは、あの兄弟を自身とチャールズに重ねて居るんだろうか?
兄さんが怒っているぞ、悲しんでいるぞ。
心の奥に引き籠る、ソマーリュの知る「カレル」に声を掛けて、ひっそりと微笑んだ。
また逃げ出したお前を、未だ、彼は見捨てず弟だと思ってくれている。
血のつながりなんて無い、ほんの僅かな間一緒に過ごしただけのお前の事を想ってくれている]
気の毒に思う程、努力しても居ない、
憐れむ程、不幸でも無い。
…なのにアンタのように「可哀想」だなんて易々言いたくないと、ただそれだけの話だ。
周りが「そう」言えば、本当にあいつは「可愛そうな奴」みたいだろ。
此処から這い上がるかどうかも、あいつ次第だってのに。