え…身分…?
[彼女の返答を聞いて少々困惑した。
これは断られてるのか?随分と新しい断り方だぞ?
無論、奴隷なんて前時代的な風習には思い当たるはずもなく。]
み…、身分がなんだって言うのさ!
昔話でも身分違いの恋なんて定番中の定番じゃないか。
[けれどもなぜだか引き下がる気にはなれなかった。
彼女と話をしていてどことなくほっとけない気持ちになったというか、
最上の贄を手元に置いておきたい無意識の打算か
今の『オズワルド』の中に淡い気持ちが生まれつつあったのかも知れない]
とにかく!
えっと… メインサロンへは丁度俺も行く所だったから、とりあえず一緒に行きませんか?
それで、もしメインサロンに着いた時にその気があれば、
――その時は一緒に食事でもしましょう。
[とは言え、初対面の相手にあまりしつこくするのもダメだろう。
今はこれが精一杯。
彼女はこちらに軽く会釈をして、しとやかに自分の数歩後ろに着いただろう。
そうして二人はメインサロンへと歩を進めた。]