──── メイン・サロン ────
[ 私が謝れば怒られる様な雰囲気はなく
返ってきたのは狼狽えた声。>>109
やや間があって、次に聞こえた声は先程よりも近くにあった。
怒られるどころかこちらを心配する声に
目を丸くして顔を上げる。
その様子を眺める黒い影に気づくわけも無く。>>166 ]
私を…怒らないのですか…?
私は今…貴方様と合った目線をすぐに逸らしてしまいました。
[ あぁ、そうだった。
私は今、奴隷とは気付かれない身なりをしているのだった。
そうは思っても、体に染み付いた奴隷根性は
どうすることもできないのだ。
バツが悪そうに俯いて、震えの止まらぬ手を
もう一つの手でぎゅっと握った。
胸ポケットにある淡いピンク色薔薇は
まだなお美しさを保っていた。 ]*