―“前庭”海域―
[皇帝と扶翼官それぞれに、先の戦闘結果を報告するカッターを飛ばしてから。
第一艦隊を中心として、威風堂々と並んだ艦隊陣>>5>>6を眺めやる。
その中に遊軍として位置する第二艦隊が座する場所は無い。
第二艦隊を率い、当代限りの役職――扶翼官を務める男、
ルートヴィヒ・アルトハーフェン。
若年ながら皇帝の腹心と呼ばれる人物だ。
穏やかな顔をして、すべてを見透かすような目をしてる――というのが、最初に軍議で顔を合わせた時の印象だった。
油断出来ぬ相手という概念に姿形を与えたら、きっとこのような男になるのだろうと。]