[ディーターが背中を向けた。>>164扉は放たれたままだ。「今よ、殺しなさい。」もうひとりの自分が頭のなかで囁いた。ディーターから教わったことをなぞるように、滑る様に鞘からナイフを抜いて獲物を目掛けて駆け出した。相手の背中の急所を突き刺そうとナイフを突き出した。目が見えないというハンデ・相手との体格差を考えれば失敗すれば後はない。だが、もし失敗してもクララには考えがあった。]