―回想・1年前―
[ゲルトの父の老先生が、猟銃を所持して獣害対策の為の
見回りをしていた最中、夜になっても帰らず。
雪降る朝に、森に近い雪道で、心臓麻痺によって
亡くなっているのが発見されてから、数日後>>0:268。
左肩の傷が原因で、葬儀で倒れた後>>0:270
ゲルトが支え、手術してくれたおかげで
身体は回復しつつあり>>0:557]
――…あ。
[部屋に来てくれたゲルトの姿に、慌てて身体を起こそうと
したのを止められ。ベッドサイドに座る彼に>>557]
(…言わなければ…。左肩の傷の理由、今、言わなければ…)
[そう思うのに、言葉が喉に張り付いて。
毛布の下の指先は、カタカタと震えるだけで、役に立たず]