司書 クララ

［本ってものは便利だ。老若男女問わず誰でも同じ分量の知識を得ることができる。一方で、得ようとしなければ入ってこないという欠点もある。それはクララが１番よく知っていた。
　初めからそういう本があると知らなければ、探さないと。記録は失われ、記憶は薄くなり、埃を被って何十年も経つ有用な本もあるのだと。］

　ええ、よく来てくれますよ。とっても、好き、なんだと思います。

［ある日、お得意様というべきかディーターについてフリーデルに聞かれた>>0:1022とき、クララは答えた。］

　でも、あの人が好きなのはきっと。本というよりも、金狼様と聖人セイラなのかなって。
　そう思うんです。