[初めは退く動きと見えた。
しかし、流れるように滑らかに、続いて前に出て来たのは軽歩兵。
軽装、と言っても、武骨に誂えられたそれは、こちらの軽鎧と比べずっと重厚に思えた]
落ち着け、人対人なら訓練で散々やってきたはずだ。
[鉄の武器は鋭く、敵の練度は高い。
しかしそれはもう知った恐ろしさだ。
ただ一点、今は敵が同じ目線の高さにいる]
前に出ようとしなくていい。
立って、後ろを支えてくれ。
それだけで、持ち堪えるための力になる!
[軽歩兵と向かい合い、競り合いながら、元いた森の方へ向けて徐々に後退する動きを取る。
真正面が少数精鋭だけでは、とても相手になる人数比ではない。
しかし負傷が軽くただ騎兵を避けていた兵たちが、後方から戦闘に復帰し始めていた*]