―数ヶ月前・新人乗員との邂逅―
[シルバーメリー号の出航する数ヶ月前のことだ。
乗員に採用された新人達が挨拶回りをしていた。
まだ配属される場所も決まっていない段階だ。
第一エリア、第二エリア、その他。
知識、適正、もしくはコネで何処に振り分けられるかが決まる。
一部では第一エリアに憧憬を抱くクルーも居るという話だが
ダーフィトからすれば馬鹿らしいと笑う案件だった。]
毎日毎時間毎秒、決められた通りに運行を続ける
そんな船の航路を見張るくらいしか仕事なんてないって
知ってるのかねえ。期待の新人サマ方は。
第一よりも第二の奴らの方がよっぽどいい仕事してるって。
[第一エリアにも幾人かの新人の訪問を受け、
その時ばかりは猫を被って対応したダーフィトだったが
休憩時間ともなればそんな仮面など容易に剥がれ落ちる。]