― 回想/ウェントゥスの里 ― ……最近、慌ただしいな。[来訪者に宛がわれた部屋へと戻る途中、空を翔ける伝令の翼を認めて小さく呟く] 前は、奥まで踏み込んでくるのなんて、そんなにいなかったのに。[月に一度、山に登って来る集団が複数あるのは、把握している。それでも、一方とは境界線を築き、互いに干渉せぬようにしているが。もう一方はここの所、以前よりも奥地に踏み込んで来ているような感覚があった]