[召喚されしモノは呵々と笑い、手にした魔導書をベリアンに投げ渡した。そこに烙印された文字は《奈落の書》と読めた。あるいは、初めからベリアンをそこへ誘導すべく、事はなされたのかもしれない。だが、とにもかくにも取り引きは終了した。] …汝を元の場所に戻す。[宣言すれば、儀式のしきたりどおりに召喚は解かれ、部屋には静けさが戻った。だが、長い夜はまだ半ばも過ぎてはいなかった。]