[さらさらと髪を撫でた手になつくように、身を任せてきた彼を、擦り寄ってくる体温にぎょっとして]
…おい、可愛くはないぞ。
[そういつかのように言って、戸惑った。]
[ただ冗談で甘えてきているだけなのか、多分そうなのだろう。肩を抱きたいと思う手は、まるでルートヴィヒの迷いそのままに、しばし宙をさまよった。
ぽふりと、偶然唇に触れた立ち耳に、もう、我慢なんてできなくて
――……リコ。
[唇を奪って、きゅうと相手を抱きしめた。
彼は驚いただろうか。]
すまんの。ちょっとだけでええから。
…………くそ、我慢してたのに、