[ 戦の高揚に似た、その熱は、しかし酔いを伴わぬ純粋な熱さで魂を満たし、意識は澄んで、冴え渡る。一瞬も気を抜けぬ、巨狼との駆け引きの最中に、宙へと身を運んだユーリエの気配も>>157その意識の内では、はっきりと掴み取れた ]トールッ!![ 今が、その時、と、名を呼んで、狂える焔に向かって跳躍し、一気に間を詰めて右の後脚に斬撃を見舞う。同時に、正面からは、コンスタンツェの放った聖魔重なる精霊の術がぶつけられ、狂焔は苦悶に似た唸りを漏らして身を捩った ]