[>>160 続く言葉はウェルシュを弟の表情から、領主のそれへと戻す。 色素の薄い、彼女の双眸を真っ直ぐ見つめて、頷き、]
勿論。
―――……僕は、死なないよ。
[命を賭して民を護るのではなく。
生きて、民を護りたい。
再びあの鉄屑が転がる、油臭い港町へ、この足で戻ると。]
……欲を言うなら、
ヴィクトリアさんやタクマさんも、
生きることを最優先に考えて欲しいんだけれど、ね。
[だから。
例えば、ウェルシュを庇ってヴィクトリア達が危険な目に合うとかは、言語道断なのだ。
自分の我儘で此処まで来たのだ。
彼等の迷惑になるようなことは出来るだけ、避けたい。
そういう意図を含ませてウェルシュは語ったが、果たしてそこまで伝わっただろうか。]