― 城の一室(客室) ―[扉の前まで来た羆は勢いを殺さぬまま腕を振り上げる。厚い扉に深々と爪痕が刻まれ、半ば吹き飛んだ。部屋へ飛び込んだ鼻先に燃え上がる布が被さってくる。>>151] グアアァアアッ!![怒りに任せて首を振り爪で布を裂く。後脚で立ち上がって吼えた拍子、裂け目から頭が出た。血走って焦点の合わない目を相手に向ける。次の瞬間、振りかぶった腕を薙ぐように振り下ろした。**]