とりあえず、防御陣くらいは巡らせとくか。[小さく呟き、銀の刃で右手を裂いて握り込んだ血石に紅を食ませ] 全ての礎、我が根源に応じよ。 無にして有なる大気の力。 集い来たりて糸をなし、変幻なる綾を織れ。 禍齎す力を逸らす、軽やかなる衣を一時ここに。[手を裂いた刃は空へと向けて、呪を紡ぎつつ陣を描く。応じて散った血色の光は周囲の風にゆるりと溶け、光孕んだ風が青年と、ライナーの周囲にくるりと渦を巻いた。*]