そこの者。 今はその命捨て置く。 そなたの道は余には今は許容できぬが……力を鉄血に、刃を磨いて余に至りに来るがいい。 ――このように![右腕を翻せば、刷毛に溜まったペンキが飛び散って――自分の足元少し前に放射線状に広がった。 赤いペンキでしかなかったものが、その雫が血のように、そして刃に……女王の記憶を取り戻したぶんだけ、その覇気は具体性を帯び始めていた。 目の前の若い男の手討ちをやめたのは、これを見せつける意図があったろうか。]