あー、やっぱりフィオンだ。
[名前を呼ばれ、思った通りの相手だとわかれば顔を綻ばせて更に近付く。
確かこの船に出店したその日、片付けやら挨拶回りやらが終わった後の散策で迷い、彼女に話し掛けたのが一番最初だと思ったが、果たしてこの記憶は合っていたかどうか。
最初は男性と信じて疑ってはいなかったが、話しかける直前で何かに違和感を感じ、男性か女性かわからなくなった男は「もしかして女性?」とか不躾に尋ねた記憶がある。
何に違和感を感じたのだったか。
“声”だったような気もするが、そこまでは覚えていない。]
店? あるけど何か用?
[どうやらうちに何か用があるらしい?>>161。
投げられた質問には簡潔に答えて、質問を返した。]