ううん。……私は好きでやっているだけだから。 [リゼットの労働は、家に置いてくれることへの当然の対価に過ぎない、傍らにいるパメラを意識して言葉を選びながらペーターにそう答えていると>>160村の外の空気を纏った青年がパン屋を訪れたことに気付く] ニコラスさん。 戻ってらしたんですね。 [一年の殆どを巡礼の旅に費やすニコラスとは、村に来て日が浅かったから、未だあまり馴染みがなかったが、同じ旅に暮らす人間でも彼と伯父とでは随分と趣が異なっていて印象深い]