……、[少年の亡骸を森へと送れば、遠い日にあの森で出会った別の子供のことを思い出した。猟犬の代わりに使っている獰猛な狼たちが尾を振って囲んだ幼い少年。よもや腹這いにはならなかったが、ヴィンセントもギィもまた、その子供を牙にかけることなく放した。 気まぐれ? いや、多分、違う──ギィは今でも時折、あの子供の話をする。ヴィンセントは関心がない素振りをする。再会したところで、おそらく──手を出せぬと思うゆえ。]