な、に……これ……っ……
[僅かに青みがかった石竹色のブリザードフラワー。
一輪のカーネーションだった。
普通のカーネーションであったなら、花屋でもよく見かけるものだったけれど。
この花は、中々出回ることのない、珍しい花で。
刻み弁を重ねたような……綺麗な、美しい花。
しかも……
その花の品種は……。]
……カサンドラ、
[ぽつりと零した途端、せきを切ったように涙があふれた。
最初の一滴が皮切りにとめどなく溢れ、ぼたぼたと落ちる。
彼の顔を見たときに、思ったことなんて全部全部飛んで行って。
嗚咽交じりにその小箱を抱きしめた。]