保険のような意味合いだったんだろうさ。
世継ぎを守るためだ、過保護とまでは言い切れないが、
その奴隷の…ヴィクトリアにとっては災難だったね。
いつ…アデルのように犠牲になるともしれないじゃないか。
[ 本心から全て外れてはいない言葉。
…災難だとは、勿論、思っている。
何せ、この危険な船に不運にも
乗り合わせてしまったと言うのだから。
けれども、…それだけで。
未だ"ヴィクトリア"と話したことのない学者には、
その存在は道を行く通行人の一人と然して変わらなかった。 ]
[ つまりは、殺してしまっても罪悪感は生じないだろうと。 ]
[ ―――― そう考えてすら、いた。 ]
…………君を、守る為にさ。
[ 全ては彼女、…サーラを守る為に。 ]