― 謁見の間 ―失われた宝、とは。随分と派手な言い回しだこと。[苦笑が仄かに滲む口調。背筋を伸ばしたカナン>>126を眇め、]失われたものだからこそ、一層輝いて見えましたか。埋まらない欠片だからこそ、収集欲が刺激されましたか。世界の損失だとおっしゃいますが、千年前、私共の祖が亡命せざるを得ない状況にしたのも、また世界なのです。