[星明かりが夜空を彩っている。
視界が悪く、舗装道のタイルに何度か躓きながら展望台へと辿り着いた。
床に腰を下ろして背嚢から水を取り出し、まずは一息つく。
自室や展望台での一服で徐々に減っていた赤箱の重みを、>>87
手から手へと投げ受けを繰り返し。
月の光を飲み込みそうな黒の海の向こうに遅れた船を探した。
暗礁に乗り上げたツアーの行く先は見えない。]
——3本目か。
本当に、廃坑に隠し通路なんてあったりしてな。
[箱から1本取り出し口に咥え火をつける前に呟いた。
感染症を封じ込める手段としての孤立を同じく考え、>>130
船がこのまま来ないならそんな脱出もあり得るだろうかと。]