― アレイゼル領 ―[数日の船旅と徒歩の旅を経てアレイゼル領へと入る。南島での人々の集まり具合が気には掛かったが、残してきた仲間や精鋭らを中心に組織化と訓練が続いているはずだ。領主への館までは滞りなく辿りつく。まずはここまでは来た、と気を引き締めた。街の中でちらりちらりと聞こえてくるのは、領主や王府に対する不満の声。どうやら変化の風はここまで到達しているらしい。] やっぱり紅茶出るのかな。[館で待つ間に口に出したのは、そんなことだったが。]