[こて、と首を傾いで投げかけた訴えに、獅子はしばし思案するような素振りを見せ]
『……なれば、我らが望みを聞いてくれるか』
[その後、こんな言葉を投げかけて来た]
……望み?
[きょと、としながら問い返すと、獅子は鷹揚に頷いて]
『……古より、この地の海原にあるもの……それが、急激に力を増した』
『……由縁は知れぬ。だが、それにより、この地の力の均衡は大きく歪み、それが我が宿敵たる魔女の力を大きくしておる』
『そなたの言う、海の中の島とやらも、恐らくは海原にあるものの力の乱れが生み出したものだろう。
そなたらがそこに接する事ができるのも、恐らくは乱れた力の余波を受けたが故の事』
えーと。
つまり、海にいるでっかいのが急に力をつけて、その影響を俺らが受けてて。
でもって、それが作った空間の歪みがあの海の中の島、って事ね。
[まとめるように復唱すると、獅子はそうだ、と頷いた]