[ぴょい、と跳ねた小さな狐の進路上に咲いた花は、不意打ちの二段ジャンプで避けられた] ……ちょっと、遅かったですか。[そのまま本部の方へと駆けてゆく子狐を見送りつつ、先に捕まえた菓子に目を向ける。落ちてきたのは豆大福。この辺りでは珍しい菓子だが、自分にとっては、何代か前の当主が東方から贈られたというレシピのおかげで比較的見慣れた品。仔竜にとってもなじみ深いものだ] …………ほんとに、もう…………。[ふ、と苦笑しつつ、再度、見上げるのは上空の鬼ごっこ。*]